「般若心経」とは? 初心者のためのやさしくて詳しい解説その1
「般若心経」 初心者のためのやさしくて詳しい解説その1
般若心経とは
日本で1200年程前から読み継がれてきたお経「般若心経:はんにゃしんぎょう」。
仏道に生きる僧だけではなく、普通の人々がわずか262文字のお経の言葉に安らぎや勇気を得てきました。
数あるお経の中でも最も日本人に愛されてきた国民的なお経が、何故愛されてきたのでしょうか?
それは262文字の短い言葉の中に、最強の智慧とパワーが詰まっているからだと云います。
ただ唱えるだけでも功徳がある。
このことが般若心経の信仰を支えてきた一番の理由のように思われます。
解説書の出版や雑誌の特集ものも多く読まれています。
せっかく般若心経に興味を持ったのですから、たったひとりの学者さんの説ばかりにしがみつかず、般若心経に関するいろいろな本を読んでみましょう。
現在はインターネットなどでわかりやすい現代語訳を確認することもできますし、読経の動画などもあります。
こういったものを活用すれば、般若心経を理解しやすくなると思います。
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「般若心経」は一体どのような思想が入っているのでしょうか?
大乗仏教(※-1)を知りたくなり、在家で、密教系のお寺の師匠さんからの教えと、書籍情報などから理解しながら勉強しています。
いろいろ勉強していますが、「般若心経」は奥が深く、浅い私には、正解が分かりません。
今回は、現在の私の知識で納得できる「般若心経」を「諸説ある解釈のひとつの例として、やさしくて詳しい「般若心経」をご紹介いたします。
それは本当に表層部分に留まる可能性が高いことを先に記しておきますが、「般若心経」の素晴らしさがお伝えできれば幸いです。
(※-1)仏教を二つに大別すると、中国、チベット、ベトナム、朝鮮、日本等の地域に伝わった北伝の大乗仏教:先に他人の為にして後、自身の為にする。
世のため人のための菩薩行に励む利他思考の仏教。
つまり我々に馴染みがある仏教です。
それに対して、スリランカ、タイ、ミャンマー、カンボジア、ラオス等の地域に伝わった南伝の上座部仏教(じょうざぶぶっきょう):定められた戒律を遵守することに専念する仏教。
現代の日本においてはあまり馴染みがないものに分類されます。
私の「般若心経」との出会い
「般若心経」との出会いは、きっと子供の頃だと思います。
実家が臨済宗なので葬儀や法事のたびに耳にしていた筈なのに全く記憶にありません。
子供だから当たり前ですし、興味がないことは、全く無いのと同じですから・・・・大人になり、結婚して長女が生まれてくれて、年子で次女も生まれてくれた。
初めて尽くしの素晴らしい人生の喜びで一杯でした。
でも、そんな中その遭いたくない悲しみが来てしまいました。
人生で初めて経験した愛別離苦でした。
最愛の父と、その3か月後に生後4か月の次女の相次ぐ他界でした。
(いきなりの愛別離苦の話で申訳ありません)深い悲しみの中、父と娘への供養にと始めた写経が本当の「般若心経」との出会いだったと思います。
「供養にはとてもいい」と菩提寺のご住職からのおすすめもあり、以前から「般若心経」に多少興味もあったので始めてみました。
それぞれの一周忌の霊前に108枚(36×3)×2セット=216枚の写経を菩提寺に納めて、お焚き上げしていただいた。
当時はネットもなく情報量も少なく、書籍から写経方法と簡単な意味を学び、悲しみを癒すために取り組んだ。
写経は只ひたすらに、半紙の下に敷かれた276文字の漢字のお手本を毛筆で上からなぞるだけ、唱えることはできるので、とにかく黙読しながら「般若心経」を写すのです。
最初は知らない漢字ばかり、空(くう)と無(む)という語がたくさん使われています。
当時、数えてみました。「空」は7個。「無」は20個も出てきます。
「不」(ふ)」という語も9個あります。
きっと意味があるに違いない。
そう思っていました。
大体の意味は、漢文の直訳程度でしたがその時は、それで十分でした。
とにかく、無心に、礼儀正しく、真剣に、丁寧に、妻も一緒に写経しました。
お陰でお互いに悲しみから救われました。(写経についてはまた別の機会に詳細にお届けします)
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この頃まだ、「般若心経」の音調は自己流でした。
でも完全に暗記して唱えることができるようになっていました。
少し大袈裟ですが[写経に向かう無心の約50分間と毎日5分間の般若心経3回読経]により私たちは悲しみから救われました。
読経(どきょう:声を出してお経を読むこと)したお陰だと思っています。
私が唱える事で妻も般若心経を知ることになりました。
お互いに意味はわからなくともその存在を知り、自然と耳が覚えてしまいました。
悲しみに打ちひしがれたあの時、あの般若心経にはどういう教えが説かれているのだろう?と思いました・・・その後、その問かけが、仏教を求めるきっかけになったような気がします。
般若心経は、「最高の智慧の心髄なるお経」として、私たちの迷い苦しみの原因である無明(根本的な無知)を対治していくための教えとなっています。
お釈迦様の教えとなるお経は、その内容を理解して、悟りへと向かうための実践として活かしていくことが大切となります。
「般若心経」も同様に、ただ読経するだけ、ただ写経するだけではなく、その「深遠なる空の智慧」の内容を理解して、生きるための実践がとても重要だと言います。
そして「先ず、他の為にして。そののち、自分のことを行う」という大乗仏教の利他の実践は、きっと、皆さまを心の苦しみから救う不動心となるだろうと思います。
では、本題に入る前に
般若心経を知るには、般若心経はお釈迦様がお創りになった仏教のお経なので、「お経のお話」や「インドの古い言葉を漢訳したあの有名な西遊記の作者でもある玄奘(げんじょう)三蔵法師(さんぞうほうし)のこと」も少しお話します。
そして般若心経の取り巻く世界を理解したうえで、般若心経の解説をするという流れでお話したいと思います。
「般若心経」初心者のためのやさしくて詳しい解説シリーズ目次 全8話
1 「般若心経」とは?初心者のためのやさしくて詳しい解説(第1話)
4 般若心経の漢訳や西遊記を書いた玄奘三蔵法師とはどんな人?(4話)
6 般若心経の寸劇の舞台設定場所とは?インドのマガダ国(6話)
7 般若心経の構成(第7話)
8 全文訳(第8話)
では、お読みくださり、ありがとうございます。
アンジュールのノマー
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