7月15日の盂蘭盆会(うらぼんえ)は、「お盆」のこと。

 

  子供のころ、夏休みの大半を山梨の祖父母の家で過ごした。いとこ達が大勢い集まるので、ワイワイととても楽しかった。お盆が来る前に必ず皆で「キュウリの馬」と「ナスの牛」を作って盆棚に飾った。おばあちゃんが「このキュウリの早馬に乗ってご先祖様は来るんだよ。帰りはナスの牛に乗ってゆっくり天国へ戻って行くんだよ」と教えてくれた。中年になった今でも夏休みが近づくと思い出します。今年も家族で馬と牛を作って、ご先祖様をお迎えしようと思っています

 

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「お盆って何?」って思いませんか?

 私はつい最近まで「お盆」の本当の意味を知りませんでしたが、大乗仏教を知りたくなり独学ですが勉強をはじめましたので、「お盆って何?」をお伝えします。このお盆の話は有名ですので、ご存知の方ばかりだと思いますが少しお話しします。

お盆は、

平安朝以来 今もなお行われている行事の一つです。サンスクリット語の「ウランバナ」[倒懸:(とうけん)仏教用語で 逆さにつり の意]の音訳とされています。倒懸とは、生前中の「さかさまな心やり や さかさまな行いより受ける死後の懲罰だそうです。(ひゃ~こわいですね)。 

 

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さてお盆の物語の始まりです

 2500年程前のインドでお釈迦さまがご在世の頃のことです。お弟子さんの一人に目連尊者(もくれんそんじゃ)というとても親思いの方がいらっしゃいました。目連尊者は修行に修行を重ね、神通力を得て世のため人のために尽くしていました。その超人的な能力によって神通霊妙の第一と称されるほどでした。また釈迦教団を快く思わない他宗の暴徒から何度も何度も攻撃に遇い、その都度、神通力によって危機を乗り超えてきましたが、残念なことに何度目かの襲撃に遇った時亡くなってしまいました。(諸説あり) 初期仏教の基礎を築いたすごい人物です。

 その目連尊者が初めて神通力を得たとき、彼が最初に行った透視は、今は亡き母親の様子を見通すことでした。仏典によるところの六道を上から順番に透視しました。天上・人間・修羅(しゅら)・畜生(ちくしょう)・餓鬼(がき)・母親はいません。 最後の 地獄に「ま、まさか!!」 目がとらえたのは母親が灼熱地獄で「逆さづり」になっている姿でした。「お母さん!!」と叫ぶと、息子に気が付いた母親は、「あ~もくれん・・・み・み・水をくれ・・・」駆け寄る目連尊者に一杯の水を頼みました。すぐにお水を捧げると炎となって飲むことができません。ご飯を捧げても炎となって燃えてしまいます。何度も何度も神通力でお水を捧げても駄目です。そのうち水が鋭利な刃物に変わり、母親の口を傷つけてしまいました。・・・

 どうすることもできなくなり号泣した目連尊者はお釈迦さまに乞い願いました。しかしそこで仲間から聞かされたことは、生前の母親の悪行だったのです。それはある熱い夏のこと、一人の修行僧が目連尊者の家に托鉢[たくはつ:古代インド宗教の出家者の修行形態の1つで、信者の家々を巡り、生活に必要な最低限の食糧などを乞う修行]に来て一杯の水を恵んでくれるように頼みました。水瓶の水は溢れんばかりにありましたが、しかし目連尊者の母親は「これは目連の水だから駄目」と言って追い返すのです。修行僧は喉がカラカラでしたので、何度も何度も頼みましたが、「これは目連の水だから駄目」と言って施しをせずに戸を閉めてしまいました。このような悪行から母親は「倒懸」の懲罰で灼熱地獄に行ったのです。

お布施(ふせ:施しをすること)は、貪欲の心を浄め執着心を離れさせるとして、お釈迦さまは奨励されています。修行者にとって徳行となるばかりか、施与する側にも徳を積む修行になっています。

目連尊者は折角得た神通力で母を救えないと、悲しみに打ちしおれ、挫折してしまいます。目連尊者は再びお釈迦さまに尋ねました。お釈迦さまは、「過去は戻らないが、母親のできなかったことをすることはできる」と話され、「夏安居(げあんご:古代インドの僧侶は、雨期3か月の間一切外出せずに修行すること)の最後の日「7月15日」に町に出てくる僧侶達に母親のできなかったことをするのが良い」と示された。

 そうして目連尊者は、この「7月15日」に百味百果の食べ物・清水・ともし火・寝具を誰彼の区別なく全員に施しの供養をしたそうです。その功徳により過去7世代の父母は、地獄・餓鬼・蓄養の三途の苦しみから救われたそうです。・・・

 その後、目連尊者は再び母親を透視で訪ねると、母親が手を挙げて嬉しそうに地獄から浮かび上がり、歓喜の舞を踊りながら天に昇って行くところだったそうです。ちなみに、私たちが夏祭りで行う「盆踊り」は、目連尊者の母親が天に昇る姿を具象化したものだそうです(諸説あり)

以上が、「お盆」って何? のお話しでした。

この故事によって 

 旧暦の7月15日は、父母報恩の「盂蘭盆会(うらぼんえ)」が修されるようになりました。そのまま7月15日におこなわれる地域の他、月遅れの8月15日に行われる地方もかなり多く、帰省ラッシュのお盆と正月は、先祖を迎えて親族が集まり、心を通わせる時とされています。
※地域によってお盆の日程は異なりますのでご注意下さい!

7月13日 / 月遅れの地域 8月13日 は、
迎え盆で、家の中に提灯を飾ったお灯明に火をつけて、ご先祖様や諸霊がその明かりを頼りに帰ってこれるようにします。ご先祖様が、足の速いキュウリの精霊馬(しょうりょううま)に乗って、早くあの世から帰って来られるように、お線香を立ててお迎えします。

7月15日 / 月遅れの地域 8月15日 は、
家族と一緒に過ごし供養を受けます。

7月16日 / 月遅れの地域 8月16日 は、
送り盆で灯籠流しで川や海の彼方の浄土へ送る地方もあります。一般では、送り盆でご先祖様や諸霊は、ナスの牛に乗ってゆっくりとそしてこの世からたくさんの供物を積んで楽に帰れるようにと願いをこめて、ご霊界に帰って行くとされています。

精霊馬(しょうりょううま)

ご家族で、キュウリの馬とナスの牛を作ってみてはいかがですか?精霊馬(しょうりょううま)は、割り箸やつまようじで足をつけると簡単に作れますよ。
では、今年も楽しく「お盆」を過ごせるといいですね。 

最後までお読みくださりありがとうございました。. アンジュールのノマー

 

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